ヤフオクで手に入れたTS-830Vは有り難い事にヒータON 30分程度で1時間のラグチューをしても10~20Hz程度しかドリフトしないアタリのVFOのようです。
ま・アナログVFOですからこの程度のドリフトならヨシとしなくてはなりません。
TS-830V/SのVFOは5.4MHz~6.1MHzまでを発振するのですが、要するにこの発振がドリフトしなければ良いのです。 元々スプリット運用するために売られていた外付けのVFO-230はPLL方式のデジタルVFOだと言う事なので、話に聞けばドリフトも少ないと言うではないですか。 そんな訳でヤフオクで網を張っていました。
するとVFO-230の出品を知らせるメールが来ちゃいまして、条件反射的に札入れして落札してしまいました! なお落札価格はTS-830V/100W改より高価でした。笑
着荷して荷ほどきし、早速ケーブル接続してみました。
受信も送信もVFOを指定し、VFO-230のダイヤルノブを回すとTS-830の周波数カウンタも動きます。 TS-830のVFOダイヤルノブは1回転25kHzとCW受信にはクリティカルで使いにくかったのですが、VFO-230は1/4の速度(1回転6.25kHz)に改造されており具合良くチューニングができそうです。
IC-7610 のバンドスコープを駆使して送信・受信ともVFO-230を指定して送受信チェックをしてみましたら・・・
どうやらゼロイン受信した周波数で送信すると、1kHz程下で送信されるようです。
TS-830Vはゼロイン受信したところで送信すると、キーダウンすると1kHzくらい上の周波数表示に変わります。BFOのシフトを勘定して送信周波数を調整してくれる訳ですね。
VFO-230の挙動をみると、このシフトをしてくれていないようです。これが故障なのか仕様なのか調べても良く分からず・・・しかたないので、VFO-230に付いているRITをONしRITツマミを9時の方向に回して送信周波数と受信周波数を1kHz程シフトさせてみました。(本当はXITが付いていれば良かったのですが)
FTDX10のゼロインモニタが役に立ちました。w
折良く(?) 7026.88MHzでここのところずーっとビートが出ており。これをパイロット信号としてVFO-230で受信ゼロインさせてみます。
TS-830Vで出力を0.5W程度に絞り送信。FTDX10のゼロインメータ見ながら7026.88MHzにVFO-230で正確に合わせます。
併せてトーンもモニターします。
RITはこの位置がゼロイン受信できたときに、その周波数でオンフレになりました。
思わぬ挙動で VFO-230のドリフトチェックもできませんが、今度の週末にでも和文ラグチューして試してみたいと思います。
■■■■ 追記 2024.11.16 ■■■■
さすがにRITを9時方向に固定して使うのもなんなので、XなどSNSで尋ねてみたら、TS-830VからVFO-230に来ているケーブルの電源ラインに9Vが来ていなければ、送信周波数がズレることがあると言うことでテスタで当たってみたら、これは9.0Vがしっかり来ていて問題なし。
次にサービスマニュアルの在処を教わり、
RIT OFF状態時にキーダウンした時、送信周波数表示を受信周波数表示+800HzになるようにDigital Unit上にあるVR1を調整することを教わりました。英語ではありますが確かにサービスマニュアルに書いてありました。 どうやらこのVR1がCW SHIFT Adjustmentと書いてある通り肝のようです。
VFO-230の蓋を外して見える基板がDigital Unitで、その一番奥左側にVR1はありました。
これまた折良く7026.88kHzでビートが出ていますので、これをパイロットにして調整してみました。測定器はFTDX10です。(笑) FTDX10のゼロインメータを見て、送受信をVFO-230にセットして7026.88MHzのビートにゼロイン受信してから、パワーを最小にしてキーダウンすると、1kHz下あたりで電波が出ていることがFTDX10で確認できました。 このバンドスコープとゼロインメータを見ながらキーダウンして基板上のVR1を回してゼロインするよう調整します。
結果的にキーダウン(送信)すると受信周波数表示の800Hz上の送信周波数表示になりまして、めでたくこんな具合になりました。
これでRITでだましだまし調整しなくても、ゼロイン受信できたところでキーダウン送信すれば800Hz上の周波数で送信して相手にもゼロインできるようになりました。
当たり前ですが、MAIN(TS-830VのVFO)からVFO(VFO-230のVFO)にメモリ経由で周波数を転送できることも、たすき掛け動作も、T-F SETの動作も全て確認できました。めでたしめでたし!