1991年開局、当時のリグはIC-721。その後すぐTS-850Sで遊んでおりました。
あの頃のHF中級機はケンウッドがそのTS-850、アイコムがIC-760PRO、八重洲がFT-1011でした。それぞれTS-950、IC-780、FT-1021と言うフラッグシップ機の下位に位置しておりました。
たまたま自分はTS-850を愛用してましたが、八重洲のFT-1011も凄く気になっていました。その1011がヤフオクで出品されているではないですか!
早速札入れして、数日後めでたく当方に落札! 落札価格は32500円とちゃんと動作して使えればお値打ち価格だと思います。
落札後すぐに発送していただき着荷。荷ほどきして TS-940Sを退けて(笑)そこにFT-1011をセットしました。
TS-940より横幅が3cmくらい、高さが1cm程小さいのですが、そもそも940がデカくて重いのであって、この1011もかなりの存在感です。
940は20kg、1011は13kgでした。さすがにこの7kgは大きな差で、オペレートデスクに持ち上げるときの腰への負担はかなり低減されました。笑
早速アンテナ(ダミーロード)・KEY・外部スピーカ・AC電源をつないで電源ON! うんともすんとも言わず音量ボリウムを弄ってもやはり音が出ず・・・。 よくよくみてみるとTRANSMITの赤いLEDが光っています。 MOXスイッチが押されてました。壊れてるのかと・・・。笑
まずは7MHz電信バンドにVFOつまみを合わせます。元気よく受信できました! このFT-1011は500Hzのフィルタが標準装備、250Hzのナローフィルタはオプションになっており、残念ながらナローフィルタは装着されていません。 もっとも使用用途は和文ラグチューですから500Hzのフィルタだけで充分です。
デジタルフィルタをONしてLOW CUT/HIGH CUTで帯域を少しだけ狭めると電信信号だけが浮き上がり、ノイズも静かになりました。 これはラグチューには嬉しい機能です。初めはAPF(オーディオピークフィルタ)が付いてないのか・・・と思ってましたが、このデジタルフィルタがあれば充分ですね。
FT-1011の隣にあるIC-7610を使って周波数のズレがないか確認してみました。どうも100Hz程ズレているんですね。 ただこれもよくよく見てみると、7610のCWピッチが800Hz、FT-1011が700Hzであることが解りまして、ズレは無いことも確認できました。
800Hzで耳ゼロインできるように慣れてしまっているので、1011のピッチも800Hzに変えようと思ったら・・・なんと700/600/500/400Hzにしか変更できないことが分かりました。 これが一番残念。(涙)
サイドトーンの音量がちょっと大きすぎなので、音量調整をしたいのですが、これ上蓋を外してトリマを回して調整しなければならないことが分かり、これは後々の宿題にしましょう。
それにつけても耳に優しいトーンでノイズも抑えられて実に聞きやすい。良いトランシーバがお輿入れしてくれました。感謝感謝。
物理針のメータはオーソドックスなもので視認性も高くFBです。次に送信テスト。
ダミーロードをつないで取りあえず7MHzで最小パワー・最大パワーを見てみます。最小は10W、最大で130W程出てます。 隣のIC-7610でトーンモニタしても問題は全くありません。 とにかくちゃんと送受信ができるようでひと安心。
BK-INスイッチを押すとフルブレークインとなります。IC-7610並にリレー音が無くてこれまたFBです。セミブレークインはVOXスイッチで機能します。送受のディレイ調整は上面の小さな蓋を開けるとトリマがあります。 自分は元々フルブレークイン派なのでセミブレークインは使わないと思いますが、フルブレークインもセミブレークインも物理スイッチが独立してあるので電信好きとしては助かります。イマドキの無線機はブレークインスイッチが独立した物理スイッチになっているケースは殆どないので不便なんです。
ツマミ・ボタンもそれなりの使用感はありますが、30年以上前の無線機だと思えばかなり綺麗な部類だと思います。VFOツマミも引っかかりや軸ずれ・曲がりなどもなくスムーズに回りますし、ボリウム類のガリは全く感じません。
スピーカはTS-940SにつなげてあったSP-940。1cm程高さが合いませんけど、ま・良いことにします。
免許はJARDに出した保証依頼書類に不備があって一度差し戻しされたため予定では保証書到着が7月3日午後。。。 それから総通に変更(増設)の届出なので、電波が出せるのは早くてもあと10日ほど掛かりそうです。(涙)
それにつけても良いものを買わせて頂きました。電波が出せるのが楽しみです。
【2025.6.26追記】
サイドトーンの音量が爆音だったので音量調整しました。
ビス8個を外して上蓋を外し、当該トリマを左に回すと音量が下がりました。
リグ内部はホコリもなく非常に綺麗に保たれていました。
赤丸の部品です。