ベランダ設置のカーボン釣竿アンテナ

自宅は一戸建てではありますが、庭は猫の額でタワーなんて建立できず。 隣の家まで数メートルで建て込んでおり領空侵犯しそうでルーフタワーもNGの状態。もちろん敷地が狭くてワイヤアンテナなんて張ることもできません。

90年代借家の一戸建てで7MHz/10MHzのフルサイズDPが張れていた頃が夢のようです。w

で現状使えるのはベランダのみで、ベランダの手すりから釣竿伸ばすくらいが関の山の、アマチュア無線するのには、あまりよろしくない状況です。

2021年8月あたりにFT8で復活しだした頃は、グラスファイバ釣竿にビニル線をはわせアンテナエレメントに、アースは5m x 5本のビニル線をベランダの床に広げ、ATUでチューニングさせる方法てスタートしました。

そんな子供だましのようなアンテナ&アースでもFT8は素晴らしく、7MHz国内なら10WのIC-705で充分飛ぶことが分かり感動していました。(最初のうちは・・・)

ただし1/4λの接地型アンテナは(特に良質なアースが取れない当局のような状況では)ノイズに弱く、途中マグネチックループアンテナやEFHW(端部給電半波長アンテナ)を長ーいグラスファイバ竿にはわせる方式などを試してはみましたが、使うとき設営・QRT時は撤収が実に面倒でなんとかならないか考えていました。

翌年2022年3月くらいにカーボン釣竿の根元に目玉クリップで直接挟み込んで給電するという画期的な方法をこの動画で観て知り、早速やってみました。

sochoさん(JJ1XTG)がYouTubeで紹介してくれた動画

youtu.be

従来カーボン竿は導電性なのでワイヤをはわせて使うには不適当と言うことで敬遠されていたのですが、導電性があるなら、そのままエレメントにしてしまえ!と言う考えでATUと組み合わせると意外や意外、ノイズは少なくそれなりに飛ぶことが分かりました。

もちろんカーボン自体は電気抵抗が高く電波の放射と言う点では効率は良くないはずなのですが、なぜかノイズが少なく、しかもそれなりに飛ぶのです。

カーボン釣竿の最大の特徴は細くて軽いこと。それ故、多少の風にも強く、設営(と言ってもただ竿を伸ばすだけ)と撤収(竿を縮める)が超ラクチン。 運用時だけアンテナを伸ばす当局に打ってつけな逸品です。

「カーボン釣竿直接給電アンテナ」と呼ばれていますが、考案者の JS1WWR さんのサフィックスをとり、WWRアンテナとも言われています。

現在は給電方式は目玉クリップではなく、同軸外網を広げてアルミテープで巻く方式に改良。

ATU(CG-3000)の電源ケーブルと給電同軸ケーブルはコモンモードフィルタをいれてあります。 これがないと古い掃除機が勝手にスイッチONになったりPCに回り込んで操作不能になったりとロクなことになりません。

アースも5m x 5本のビニル線をベランダの床にぶちまける方式はやめました。設営・撤収がめんどくさいから。笑  どうやらアースはATUの高さからあまり離さずに、このようにATUのレベルに近く、しかも線ではなく面で厚めのアルミフォイルを2枚重ねにして設置するほうがATUのチューンも安定して取れる模様です。

給電部にも言えますがアースは点より線・線より面がFBのようです。

すごーく良く飛ぶわけでもありませんし、当然ビームアンテナやローバンドならフルサイズのDPなんかには敵いません。 それでもあまり多くを望まなければ3.5~28MHzまでATUチューン一発でオンエアできますし、FT8でなら今のところDXCCもこんな感じです。

秋になったらクルマからこのカーボン釣竿をはやして、DXを狙いに行こうかと思っています。実際高地に出かけなくても周囲がひらけた河川敷だとノイズも少なくて、もともと打ち上げ角が低いDX向きの1/4λ垂直アンテナです。

しかも実測9mのカーボン釣竿だとフルサイズに近いためか7/10MHzは結構飛びます。ローバンドはビームアンテナをあげているかたがハイバンドより少ないと思われることと、バーチカルでもフルサイズをあげるのはそれなりの困難が伴うためか、このカーボン釣竿のローバンド戦闘能力は侮れないと感じます。

実際セントヘレナ島とか中央アフリカなんかも、このアンテナに50Wで釣れています。

WASはデラウェア州だけ残し、WAZはZONE 2と34の2つ残しと文字通り世界中に電波は飛んでおり、現在のところ、このカーボン釣竿直接給電アンテナ(WWRアンテナ)はベランダハムのベストプラクティスのひとつだと考えています。